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Profile

菅野

菅 野 佐百合

  • 東北薬科大学 薬学部 製薬学科
    卒業
  • H13年度 薬剤師研修センター漢方薬生薬研修会 試問 合格
  • 薬局「秀ハーブラウンジ」
    取締役社長 管理薬剤師

■調剤業務に従事する傍ら、漢方薬・ハーブの研究を行う。
■自然療法・アロマテラピー・カウンセリング・フラワーエッセンスを学ぶ。
■漢方の希釈をマイペースで研究中。
著書に「超微量漢方パワーの奇跡」<廣済堂出版>、「難病を癒す免疫療法」(共著) <廣済堂出版>がある。

カウンタ
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2014年06月30日

牛黄(ごおう)の抗酸化作用

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癌の手術と牛黄の微量漢方を併用して経過良好のおはなし。

5月に皮膚癌が見つかった高齢の女性。
牛黄の微量漢方と元気が出るサプリメントを使用しました。
2回手術し、経過良好です。
ご家族は「これのおかげ」と喜んでくださっています。
もちろん、医学の進歩があってのことですが。

牛黄は最近もお話ししましたが、牛の胆嚢または胆管中に病的に生じた結石を乾燥させたもの。
主成分はビリルビンです。

牛黄の主成分であるビリルビンはvinpocetineより強力なラット脳ホモジネートにおける過酸化脂質産生の抑制作用を示し、またラット脳スライスにxanthine-xanthine oxidaseを添加して誘発した浮腫に対し、3×10-4g/mLで
50%の抑制作用を示す。牛黄は抗活性酸素作用に起因する脳虚血障害改善作用を有することが示唆されている。(森下信一、庄司政満、小國康弘、他:日薬理誌、98:435、1991)

微量漢方の牛黄が抗活性酸素作用に一役買うことが、上記文献の濃度と関連しているように思います。

2014年06月27日

細辛(さいしん)の抗菌作用

P1030402.JPG
梅雨時は、水虫などができやすい時期ですね。

今日は疲れが酷いので何とかしてほしいという女性のご相談がありました。
経絡測定で調べると、川芎茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)で反応が出ます。
川芎茶調散は頭痛に効く方剤ですが、私が出会うパターンは、抗菌剤が必要な症状。
そこで化膿していたり違和感がある個所を訊ねると、足の指とデリケートゾーンに違和感があるとのこと。
川芎茶調散を飲んで、すぐに病院で抗菌剤をもらうよう説明し、本人も納得。
このようなときはなんといっても抗菌剤が必要です。
そして漢方と併用すれば、感染によるストレスを軽減し、回復が早くなります。
相談者の主訴である疲れは、感染によるストレスですね。

川芎茶調散を構成する生薬のひとつに細辛(さいしん)があります。
細辛はウマノスズクサ科ケイリンサイシン、ウスバサイシンの根茎や根つき全草を乾燥させたもの。
成分はestragol,methyleugenol,palmic acid,higenamineなどがあります。
細辛には抗菌作用が報告されています。

ウスバサイシンのエーテル抽出物とmethyleugenolが抗カビ活性を示す。(OmotoT and Sung Y I:生薬誌.36:307,1982)

2014年06月26日

牛黄(ごおう)の中枢性抑制薬の効果増強作用

P1030382.JPG
牛黄は精神・神経系疾患にも使われます。

てんかんの人は病院の薬に牛黄を併用して、体調管理しています。
牛黄は牛の胆嚢または胆管中に病的に生じた結石を乾燥させたもの。
オーストラリア産は牧草で育てているので、良品とされています。
成分は胆汁色素のbilirubin,biliverdin,胆汁酸のcholic acidなどのほかcholesterol,lecitin,アミノ酸、ペプチド、Ca塩などがあります。

マウスに牛黄またはその水エキスを経口投与すると中枢性興奮薬の作用発現が抑制され、逆に中枢性
抑制薬の効果が増強される。(杉本重利:満州医学雑誌、33:1157、1940.)

上記の文献によって、抗てんかん薬などの働きを助けることがわかります。

牛黄は高用量で高血圧の治療になりますが、微量(10μg/ml)だと抗トロンビン作用・線溶活性化作用など血栓形成を抑制する文献もあります。
濃度で薬効が変わるのは、アスピリンのようで興味深いですね。
また、微量で作用するエビデンスにもなります。

2014年06月25日

茴香(ういきょう)の消化器作用

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安中散(あんちゅうさん)に配合されている茴香のおはなし。

冷たい物を食べたり飲んだりしたあとの腹部膨満感に、安中散の茴香が効きます。
茴香はセリ科ウイキョウの成熟果実を乾燥したもの。
精油のフェンネルは茴香が原料です。
成分はanethole,estragole,anisaldehyde,-fenchone,-limonene,α-pineneなど。

in situにおける消化管運動を測定する目的で、ウサギ幽門部に微小バルーンを固定し圧力変化を記録する実験においてウイキョウの24㎎/㎏を経口投与すると25~30分後に胃運動の亢進が認められた。(新浦勇次郎、高柳一成、高木敬次郎:日薬理誌、73:45、1977

腹部膨満感があるとき、胃腸の蠕動運動に問題があります。
このようなとき、茴香が蠕動運動を正常化して膨満感を取り除くのです。

安中散は微量漢方でとてもよく効きます。
微量で効くわけは、以下の報告が関連しているように思います。


マウスの小腸を用いて摘出腸管の収縮を調べた研究。
anetoleの2,5×10⁻5g/mlの濃度では収縮を示したが、これより高濃度では弛緩作用を示した。(今関和泉、北畠芳子:薬誌、82:1326,1962.)

2014年06月24日

独活(どくかつ)の鎮痛作用

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雨の日は体の痛みのご相談が増えます。

独活寄生湯(どっかつきせいとう)の独活には鎮痛作用が報告されています。
慢性の痛み、関節痛、リウマチなどがある人で、長期に鎮痛剤を飲む人には、独活寄生湯の併用で副作用が軽減できたり頓服薬の減量が可能になります。
痛みの予防効果もあり、独活の役割は大きいです。

独活はウコギ科ウドの根茎。
成分はℯnt-pimara-8(14),-dien-19oic acid,ℯnt-kaur-16-ene-19-oic acidおよびそれらの関連ジテルペンを主成分とします。
他にオレアナン系サポニン、アセチレン誘導体、angelolA~H,ostholなどのほかクマリン類を含みます。

マウスを使った酢酸ライジング法による鎮痛活性本体として)),-dien-19oic acid,ℯnt-kaur-16-ene-19-oic acidが同定された。(Okuyama E,Nishimura S and Yamazaki M :Chem Pharm Bull39:405,1991)

今日は東京は天気が激変していますね。
午前中は激しい雷雨、お昼は晴れ、そして午後はまた雷が鳴っています。
漢方方剤は作用は穏やかですが、鎮痛剤だけではとれない自覚症状の改善にも効果的で、痛みが出やすいこの時期は大人気です。

2014年06月23日

半夏(はんげ)の唾液分泌促進作用

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半夏は燥(湿を取り除く)の生薬ですが、唾液は分泌促進します。

今日も人気の藿香正気散(かっこうしょうきさん)。
風邪の傾向として咽頭痛が多いのですが、藿香正気散の半夏はそれを緩和させるはたらきがあります。
半夏はサトイモ科カラスビシャクの根茎。
田んぼのあぜ道に生えています。
成分はアルカロイドとして-ephedrine,フェノール類のhomogentisic acid,homogentisic acid glucosideなどなど、各種アミノ酸(arginine,aspartic acid,glutamic acid,serine,glycine,ornitine)、各種糖鎖およびデンプン、ほかにも多く含有しています。

吐き気などに使われる燥性の生薬ですが、唾液は分泌促進して咽喉痛を緩和します。

半夏アルカロイドはウサギの唾液分泌促進作用があり、これにより咽喉痛が緩和されると考えられている。(松橋一雄、他:現代の漢方治療、p、454、東洋学術出版社、1985

漢方薬は飲むタイミングが大切。
無自覚の体内環境の乱れのうちに飲めば即効性があるのですが、のどの痛みが強くなったり吐き気が出てから飲んでも即効性は望めません。
1個の風邪のウイルスは24時間後に100万個に増殖するので、1分1秒でも早く飲むことがコツです。
無自覚の体内環境の乱れを知る方法は、味覚や嗅覚の変化に敏感になること。
今日は辛い物が食べたい、焼き肉の匂いがきつい(いつもすきなのに)など、簡単なことで知ることができます。


2014年06月20日

白朮(びゃくじゅつ)の補気(消化器系機能改善)作用

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胃腸風邪に藿香正気散(かっこうしょうきさん)を選ぶ人が増えています。

夏風邪らしき胃腸の症状が増え始めました。
いつものように経絡測定で選ぶと、この時期は藿香正気散が合う人が増加しています。
藿香正気散を構成する生薬の一つ、白朮は水分代謝を調節する生薬で有名で、その作用はミラクルなのですが、きちんと検証した報告もあります。これはまたいつかお話しするとして、今回は補気(消化器系機能改善作用)について。

白朮はキク科オケラの根茎です。
独特のきつい臭いを放ちます。
成分はセスキテルペノイドとしてatractyloneなどなど。
ポリアセチレン系成分としてdiacetyl-atractylodiol,などなど。
今回はポリアセチレン系成分について。

ポリアセチレン系成分は虚血性胃潰瘍に対する抑制効果が認められ、その作用はキサンチンオキシダーゼ阻害による活性酸素の生成阻害によるものと確認された。また、プロスタグランジン様作用は実験的に否定された。さらに胃潰瘍に対する攻撃因子と防御因子に対する白朮ポリアセチレン系化合物の影響を検索した結果、攻撃因子には影響なく、防御因子の胃粘液の分泌を促進し、胃粘膜の保護作用を示すことが確認された。(鹿野美弘、他:平成3~6年度・東京都東洋医学研究事業報告書;Sakurai T,Sugawara H,Saito K,et al:Biol Pharm Bull 17:1364,1994)

食欲がなくて、無理に食べると気持ち悪くなる人におすすめ。
夏は朝からモリモリ食べるのはきついですね。
藿香正気散は夏の「葛根湯」的なファーストチョイスです。

2014年06月19日

大棗(たいそう)の鎮静作用について

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炙甘草湯(しゃかんぞうとう)を構成する大棗(たいそう)のおはなし。

このところ、炙甘草湯を選ぶ人が毎日来ます。
炙甘草湯は、動悸・息切れ・疲労感などを治す方剤。
よく考えると、W杯をハラハラドキドキ観て、心臓が疲労気味なのかもしれません。
観戦疲れには、炙甘草湯がおすすめです。

炙甘草湯を構成する生薬の一つに大棗があります。
大棗はクロウメモドキ科ナツメの果実。
成分は糖類を多く含有します。
この大棗は多くの効能がありますが、今回はハラハラドキドキを治す鎮静効果について。

メタノールエキスより得られるアポルフィン型アルカロイドlysicamine,nornuciferineには鎮静作用がある。(Ham BH and Park MH:Arch Pharm Res 10:208,1987)

大棗にはその他抗潰瘍作用があり、胃潰瘍が消えた人もいました。
免疫系にも効果があります。

2014年06月18日

厚朴(こうぼく)の筋弛緩作用

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半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)の厚朴について。

3日前から咳が出続けている女学生さん。
風邪に使われる方剤を経絡測定でチェックしても、反応なし。
そこで半夏厚朴湯というお腹の冷えやストレス性の胃炎、喘息に使われる方剤をチェックしたら、反応が出ました。
一緒に相談にみえたお母さん曰く、「寝ているとき、背中が出ている」。
咳の原因は風邪やアレルギーだけでなく、お腹の冷えも考慮しなければなりません。
様々な原因が絡み合い、複雑ですね・・・。
とりあえず半夏厚朴湯(微量漢方で)を飲み、腹巻をして寝るなどの日常生活も見直してもらいました。
腹巻と言っても、今はキティちゃんなどかわいいデザインがあり、ファッション化していますね。

半夏厚朴湯の半夏はモクレン科ホオノキの樹皮を乾燥させたもの。
主な成分はβーeudesmol,α、βーpinene,camphene,lomonene,bornyl acetate,アルカロイド成分はmagnocurarine,magnoflorine,magnolol,honokiol,magnaldehydeB,などがあります。
消化器作用、抗アレルギー作用、殺菌作用、血管作用、カルシウム拮抗作用などが報告されていますが、今回は鎮咳作用について。

厚朴の中枢性筋弛緩作用はエーテル粗抽出エキスの薬効解析によりみいだされた。
(Watanabe K,Goto Y and Yositomi K:Chem Pharm Bull21:1700,1973)

直接的な気管支平滑筋弛緩作用とは書かれていませんが、筋弛緩作用なので気管支平滑筋も弛緩するのではないかという憶測です。
ストレスがあってお腹が冷えて咳が出るという、一見つながりがないような症状ですが、経絡から考えると見事につながります。

2014年06月17日

地黄(じおう)の造血作用

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夏になると、地黄が入る炙甘草湯(しゃかんぞうとう)を選ぶ人が増加します。

蒸し暑い日が続きますね。
夏になると、動悸・息切れが出てきます。
炙甘草湯は動悸・息切れの代表処方。貧血症、脱水にも使われます。
炙甘草湯を構成する生薬のひとつに地黄があります。
地黄はゴマノハグサ科カイケイジオウの根。
成分はcatalpol,イリドイド配糖体、stachyoseですが、生地黄と乾地黄、熟地黄では含有量の著しい違いがあります。(北川勲、西村正、古林安見子、他:薬誌、91:593、1971)
生の地黄が生地黄、乾燥したものは乾地黄、酒で蒸したものは熟地黄と区別し、炙甘草湯は生地黄を使います。
補血、強壮、止渇作用があり、四物湯(しもつとう・熟地黄)十全大補湯(じゅうぜんたいほとう・熟地黄)など貧血の代表処方に配合されています。

地黄には造血作用が報告されている。(久保道徳、浅野年紀、松田秀秋、他:薬誌、116:158、1996)

今日は炙甘草湯を「おいし~い!」と飲んだ人がいました。
くらくらしたり疲労感があるとき、ドリンク剤代わりにのんでもらくになりますよ!


2014年06月16日

ワールドカップで飲み過ぎに茵蔯蒿(いんちんこう)

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日曜日は盛り上がりましたね。

昨日は10時キックオフということで、私も9時にヨーカドーで買い物を済ませました。
朝一番というのに、レジは大行列。
他人のレジカゴの中身をのぞく(並ぶといやでも目に入る)と、観戦しながらたべるんだろうな~というサンドイッチ、ホットドッグ、おにぎり、スナック、ビールが溢れていました。
興奮して応援すると、ついつい飲みすぎるんですよね。
そして、「しまった!頭が痛い・・・。」
そのようなときは、茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)がすぐ効きます。

茵蔯五苓散の構成生薬、茵蔯蒿には肝障害改善作用が報告されています。
茵蔯蒿はキク科カワラヨモギの幼苗。

四塩化炭素による実験的肝障害に対して、茵蔯蒿湯は改善作用を示すことが報告されている。
マウスでは四塩化炭素による死亡率を低下させる。(高木敬次郎監修 木村正康編集 漢方薬理学
南山堂 P312)

初戦黒星スタートでしたが、本田選手の前半のシュート、すごかったですね。
金曜日も観なければ。電車の中はワンセグになるだろうな・・・。

2014年06月13日

桂皮(けいひ)の強心作用

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暑くなると、動悸・息切れが気になりますね。

しばらくてんかん発作が起こらず、当店にも音沙汰のなかった人が、数日前に発作が起きたので相談にやってきました。
もちろん病院のお薬は使用しています。
経絡測定で調べると・・・・・。
経口補水液と炙甘草湯(しゃかんぞうとう)で反応が出ました。
つまり、脱水と心気虚(しんききょ)です。
心気虚の主な症状は動悸・息切れ。
本人曰く、「発作が起こる直前、心臓がドクンといった」とのこと。
来週は病院へ行くそうですが、生活面で気をつけることがわかったと喜んで帰りました。

炙甘草を構成する生薬のひとつ、桂皮(けいひ)には強心作用があります。
桂皮はクスノキ科ケイの樹皮で、写真はベトナム産の桂皮です。
成分はcinnamic aldehyde,o-methoxycinnamic aldehyde,cinnamyl acetate,phenylpropyl acetate,conncassiaA,cinncassiolA19-glucosude,cinnzeylanol,cinnzeylaninなどを含有。

50~500μg cinnamaldehydeは摘出モルモット心臓を用いたLangendorff法で、心拍数を増加し、収縮力も増加がみられ、さらに冠血流量も増加した。(Harada M and Saito A:J Pharmacobiodyn 1:89,1978)

このような作用のために、動悸息切れに効果があります。
ところで論文を読んでいると、50~500μgのcinnamaldehydeだったり、黄連の抗菌作用のベルベリン限界濃度が5万分の1だったり、微量で効果がみられる研究が気になります。
本当は微量で十分効くのではないでしょうか。
そうなれば、生薬資源の枯渇対策になると思いますが・・・。

2014年06月12日

麻黄(まおう)の抗アレルギー作用について

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ストレスでアレルギーが酷くなる方におすすめの一つは麻黄です。

昨日発生した台風は低気圧に変化しました。
やはり気圧変化のストレスは、アレルギー症状を強めるようです。
目と鼻の症状が酷い方のご相談でした。
経絡測定をしてみると、麻黄が合うと出ます。

麻黄はマオウ科マオウの地上茎。
成分は乾燥品の0,3~1,5%が総アルカロイド。
主成分はephedrine(EP)pseudoephedrine(PE)、norephedrine(NE)、mrthilpseudoephedrine(MP)を含有します。
主に咳止めとして有名ですが、アレルギーにとてもよく効くんですよ!

水エキス(収率33,3%)とエタノールエキス(収率16,0%)は1×10マイナス3乗g/mLの作用濃度で卵白アルブミン感作モルモットの肺切片と抗原とのanaphylaxis反応で遊離するメディエーター量をそれぞれ20~40%以上抑制したが、このエキスはヒスタミンおよび総メディエーターの作用は抑制しなかった。(江田昭英、他:日薬理誌、66:366、1970)

ざっくり説明すると、放出されるアレルギー物質の一部(全部ではないが)を抑制するということ。
一部だけでも抑制できると、かなりらくになります。

2014年06月11日

附子(ぶし)の抗炎症作用

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附子は強烈に温める生薬ですが、抗炎症作用という矛盾した作用もあります。

附子はキンポウゲ科カラトリカブトの塊根を乾燥したもの。
毒性が強く、劇薬扱いですが、八味地黄丸(はちみじおうがん)真武湯(しんぶとう)など身近な方剤に入っていて、多種類の方剤で使われる生薬です。
とにかく温まります。
成分はジテルペン系アルカロイドとしてaconitine系と、atisine系、chasmanine,coryneine,higenamine,higenamine,lipohypaconitine,lopodeoxyaconitine,aolatisamine,aconitanA,B,C,Dなどがあります。

温める生薬は炎症を悪化させるように思いますが、不思議なことに附子には抗炎症作用があり、関節痛の人に好評です。

炮附子(ほうぶし)水エキスはラットのアジュバンド関節炎および肉芽腫形成モデルにおいて、抑制作用を示した。(松田秀秋、森浦俊次、久保道徳:和漢医薬誌、8:68、1991.)
ヒト慢性関節リウマチ患者に対して、修治附子煎液(p.o.)は有効であった。(近沢幸詞郎、荒木重雄、玉田太郎、他:東洋医誌、37:297、1987)

冷えがある人の関節の痛みに好評です。
微量漢方で使用するので、安心です。

2014年06月10日

黄連(おうれん)の抗菌作用

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梅雨時は食品が腐敗しやすいので、食中毒に要注意。

気温が上がり湿度が高くなると、食中毒の原因となる菌が増殖します。
お腹の弱い人には、辛い季節ですね。
このような人には、黄連をおすすめします。

黄連はキンポウゲ科セリバオウレンの根茎で、写真は日本産の黄連です。
成分はイソキノリン系4級アルカロイドが主成分で、ベルベリンは4~7%含有します。
そのほかcoptisine,palmatine,jateorrhizune,worenine,magnoflorine,酸性物質としてferulic acidを含有します。
ベルベリンは正露丸などの下痢止めの成分で、よく知られています。

ベルベリンおよび黄連粗エキスについて各種の病原微生物、腸内細菌群に対する強い殺菌作用、制菌作用が報告されている。感受性菌にはコレラ菌、腸チフス菌、赤痢菌があげられ、さらに黄色ブドウ球菌、レンサ球菌などのグラム陽性菌、腸チフス菌、志賀赤痢菌、淋菌などのグラム陰性菌など、その抗菌スペクトルは広い。このほかセレウス菌、枯草菌、ジフテリア菌、大腸菌、肺炎桿菌、結核菌などの病原菌、およびCandida,Cryptococcus,酵母、各種真菌なども感受性菌である。また、虫歯病原菌に対する殺菌効果も報告されている。抗菌作用はベルベリン濃度として5万分の1程度が限界濃度である。(高木敬次郎監修 木村正康編集 漢方薬理学 南山堂 402)

黄連は夏休みに東南アジアへ旅行するお客様にも好評です。
もちろん微量漢方で。
機内やホテルで必ず飲んでおくと、お腹をこわさないそうです。

歯周病で悩んでいた人は、黄連の微量漢方で歯茎をマッサージすると調子が良いと、いつも自慢していました。
虫歯病原菌の殺菌効果も報告されているので、予防やケアにいいかもしれませんね。

2014年06月09日

冷たい物を食べて腹痛のとき

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じめじめして暑い季節がきましたね。

でもスイカやサクランボなど、フルーツの美味しい季節がやってきました。
ジメジメしているこの季節、冷えたスイカが美味しい!
でもお腹が弱い人は、すぐにお腹が冷えて痛くなります。
このようなとき、1分1秒でもはやく大建中湯(だいけんちゅうとう)をおすすめします。
頓服なので、痛みが止まったら中止してください。
大建中湯は、人参(にんじん)乾姜(かんきょう)山椒(さんしょう)膠飴(こうい)で構成される方剤です。
今回は乾姜(かんきょう)について。

乾姜はショウガ科ショウガの根茎を蒸して乾燥させたもの。
そのまま乾燥させたものは生姜(しょうきょう)です。
蒸したものと蒸さないものとは、薬効が違います。

成分は精油成分としてzingiberine,bisaborene,camphene,α‐pinen,cineol,β-phellandrene,myrecene。
辛味成分としてgingerol,shogaol,dehydrogingeroneなど。

生姜と乾姜の違いを検証した報告があります。
マウス摘出腸間膜静脈切片のプロスタグランジン(PG)F2αによる収縮反応に対して、生姜の水エキスは増強作用を示すのとは反対に、乾姜の水エキスは抑制を示す。(Pacho L-R,Kimura I and Unno R,et al :Jpn J Pharmacol50:243,1989)

乾姜の内臓の深部を温める働きは、ここにヒントがあるように思えます。

2014年06月06日

梅雨冷えクライシスに葛根(かっこん)

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梅雨冷えで今日の最高気温は21度でした。

今日はお昼休みに店を抜け出し、14時30分まで保健センターの健康フェアのお手伝い。
無料お薬相談会でした。
屋根はありますが屋外で風にさらされ、熱いお茶が飲みたいと思うほど、すっかり冷えてしまいました。
店に戻り念のため経絡測定してみると、肺経の虚証で、葛根湯が合うと出ます。
漢方薬は無自覚のうちに飲んだほうが効くので、いそいで葛根湯を一服。
なんだかすっきりして、先ほどまでの疲労感が消えたみたい。

葛根はマメ科クズの根を乾燥させたもの。
葛湯(くずゆ)のクズも同じです。
葛湯はとても体が温まりますが、葛根の薬性は「涼」で温める働きはありません。
それなのに、なぜ温まるの?

葛根の成分は多種類のイソフラボン誘導体を含有しています。
daidzein,daidzin,daidzein4,7-diglucoside,puerarin,suerarin7-oxyloside,puerarol.kakkonein,などなど書ききれないのでここまで。
やはり多くの薬効をもつ生薬です。
今回はなぜ冷えがなおるのか、という部分にアプローチしたいと思います。

「健常なヒトでは葛根湯エキス(顆粒)2,5gを服用すると2分後から皮膚温が上昇し、15分後に最高値に達しその後下降したという報告もある。(原田正敏:治療学、14:857、1985)
葛根には発熱作用と体温下降作用と相反する作用がある。(原田正敏:治療学、14:857、1985)

「涼」だけど温まるという研究結果のおかげで、私の主観でないことがわかり、安心します。

2014年06月05日

梅雨の浮腫みに茯苓(ぶくりょう)

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梅雨入りしましたね。

しとしと雨が降っているとき、からだが浮腫みやすくなります。
そのような日は、茯苓の人気が上がります。
茯苓はサルノコシカケ科マツホドの菌核を乾燥させたもの。
成分はβー1,3-glucanの多糖体pachymanが主成分です。
ほかにトリテルぺノイドのpachymic acid,eburicoic acid,dehydroeburicoic acid,3β-O-acetyltumulosic acid,3β-O-acetyldehydrotumulosic acid,ergosterolがあります。

これには弱い利尿作用が認められています。(萩庭大寿、他:生薬、17:6、1963)
そして主成分pachymanに抗腎炎効果がみいだされ、ラットの抗GBM腎炎に対して、著明なタンパク尿の抑制や糸球体の組織変化の改善を示し、その作用機序として糸球体への補体成分C3の沈着抑制が認められています。(Hattori T,et al:Jpn J Pharmacol59:89,1992.)

そのほか茯苓は抗腫瘍活性や抗がん剤との併用の増強効果が報告されています。
(金山久範、他:薬誌、106(4):307,1986)(横田正実、他:和漢医薬誌、7(3):534、1990)

やはり今日は茯苓日和(ぶくりょうびより)で、選んだ人もいました。
私もなんとなくすっきりしないので、これを書き終えたら飲もうと思います。
目の周りの浮腫みにもいいですよ!

2014年06月04日

当帰(とうき)の免疫賦活作用

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当帰は婦人科系の生薬で有名ですが、大変優れた免疫賦活成分を含有しています。

当帰というと、冷え性、生理不順、生理痛などに使われますが、これも多くの成分を含有し、多くの薬効を持ちます。
当帰はセリ科トウキの根。
成分は精油としてligustilide,n-butylidenphthalide,sedanonic acid,safrole
脂肪酸としてpalmic acid,linolic acid
クマリン誘導体としてbergaptene,scopoletinなど
アミノ酸の(S)-1,2,3,4-tetrahydro-β-carboline-3-scopoletinなどとそのメチルエステル
その他としてarabinogalactan,arabinogalactogulucan,vitaminB12,nicotinic acidなどを含有します。
今回特にお話ししたい成分は、arabinogalactanアラビノガラクタンです。
これはアラビノース(五炭糖)とガラクトース(六炭糖)の結合体です。
これには免疫賦活作用が報告されています。

当帰熱水エキスから得た多糖分画はインターフェロン誘起活性を示すとともに抗補体活性が認められている。
(山田陽成、他:日本薬学会103年会講演要旨集P207、1983  
 小島保彦、他:Proc Symp WAKAN-YAKU13:101,1980)
なお抗補体活性を示すのはアラビノガラクタンのAGⅡa,AGⅡb-1(Yamada H,et al:Mon Immunol22:295,1985 KiyoharaH,et al:J Pharmacobiodyn9:339,1986)

この5炭糖+6炭糖の組み合わせは、研究が進み、多くのエビデンスが存在します。
当店では古代米由来アラビノキシラン(アラビノース+キシロース)を使用しています。
アラビノガラクタンにみられた抗補体活性ですが、自然の力は未知なものがあり(あくまで補完療法ですが)膠原病の方にもステロイドだけではみられなかった数値の改善がみられました。
一般の方にももちろん、「有給休暇を風邪で消費しなくなりました」といわれるほど、防衛力が強まるようです。


2014年06月03日

柴胡(さいこ)の中枢抑制作用

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今週は柴胡が入る抑肝散(よくかんさん)に人気が集中しています。

抑肝散は認知症やうつの薬として報道されイメージ的にあまりよくないのですが、生薬の構成で考えると、消化吸収を改善し体に活力を与えるグループと、脳をクールダウンするグループで構成されています。
抑肝散では柴胡+釣藤鉤(ちょうとうこう)の組み合わせで脳をクールダウンします。
柴胡は7種類以上のサポニンを含有します。
saikosaponina,c,d,b1,b2、a,dそれぞれの6位にマロン酸がエステル結合したサポニン、などなど・・・。
そして各々が消化管内で9種類程度の代謝産物に変化し、多種類の薬効をもつ、複雑な生薬です。
粗サポニン画分の作用の一つが、中枢抑制作用です。(高木敬次郎、柴田丸:薬誌、89:712,1969)

昨日は1か月前に抑肝散の微量漢方でうつや眼精疲労が改善した方のリターンでした。
3~7日内に体がらくになったそうです。
病院ではデパスが処方されましたが、だるくなるので仕事ができず、抑肝散の微量漢方はだるくなることなく元気になったそうです。(注:デパスの効き方は個人差が大きいので、合う人はだるくなりません。)

今日抑肝散を選んだ人は、病院の薬で咳が止まらないという相談でした。
経絡測定で調べてみると、麻杏甘石湯、麦門冬湯、白虎加人参湯、半夏厚朴湯などなど咳の王道をいく方剤は全滅!
甘麦大棗湯(抗不安作用)でやや経絡に変化がみられたので、抑肝散をチェックすると大きな反応が!
精油のユーカリでも良い反応が見られました。これは、塗る風邪薬ヴェポラップの成分です。
saikogeninAという柴胡の成分には鎮咳作用があるので、これもよかったのかもしれません。


2014年06月02日

クールダウンに釣藤鉤(ちょうとうこう)

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暑くなったから?このところ釣藤鉤が人気です。

長時間のパソコン作業で頭に血が上りつめている人。
同じ頭に血が上りつめている人ですが、対人関係でまいっている人。
いろいろ考え過ぎて、頭が休まらない人。
すべて、脳のオーバーワークですね。
経絡測定は釣藤鉤で良い反応が見られます。
そのようなとき、釣藤鉤でクールダウンすることをおすすめします。

釣藤鉤はアカネ科カギカズラのとげのような形の部分を乾燥したもの。
成分は多種類のインドール系アルカロイドで、リンコフィリン(RP)、イソリンコフィリン(IP)、ヒルスチン(HS)、ヒルステイン(HT)、コリナンテイン(CT)、ジヒドロコリナンテイン(DC)、ガイソシジンメチルエーテル(GM)、3α‐ジヒドロカダンビン(DB)などがあります。

釣藤鉤は中枢作用、末梢神経系への作用、循環器系への作用で有名ですが、今回は中枢作用についてお話しします。
データーはエキスを用いたものではなく、単離成分のHS,HT,RP,DBなどによるもの。
HSはメタンフェタミン(覚せい剤)の自発運動亢進に対し拮抗を示し、ヘキソバルビタール睡眠の延長をおこす。体温下降作用があり、全体として鎮静作用をもつと考えられる。HTも同様な鎮静作用がある。(尾崎幸紘:日薬理誌、94:17、1989)

数種の単離成分が脳セロトニン受容体に親和性を示す。ラットの脳膜画分においてセロトニンの特異的結合部位に高い親和性を示したのはCT、DC、GMであり、RP,IR,HS,HT・・・は親和性を示さなかった。(Kanatani H,Koba H,Yamasaki K,et al:J Pharm Pharmacol37:401,1985)

ざっくり説明すると、脳の興奮を鎮め、リラックスさせる働きです。
釣藤鉤は、ほかにも心臓や血管によい働きがあるので、またいつか説明したいと思います。